2010年に第一回公演を開催した富士電子音響芸術祭は本年5周年を迎え、各機関のご尽力によりフランスより作曲家フランソワ・ドナト氏を招聘し、音響システムにおいてもこれまで拡張を続けて来たアクースモニウムに音場空間コントロールシステムNILEが新たに搭載され、総スピーカ数は70個による構成となった。 例年多種多様なスピーカで構成・構築するが、AKAI professional RPM800、RPM500は前方空間の比較的広いポジションへ配置することでこれまで不足していた前方空間の音の密度、応答性の向上、安定化を計った。詳細レビューは生形三郎氏、フランソワ・ドナト氏へ譲るとして、私が言えることは、例年にも増して音質の向上が確認できたことであり、多くの出演作曲家が満足されたことからも今回のシステム構成、配置は一定の到達点に達したと言えるだろう。